「これ、私しか開けないわ」と、ふと気づいた夜

先日も、いつものようにベッドのなかでスマホを開いて、ネット証券の画面をのぞいていました。数字がちょっと増えていたり、減っていたり。それを眺めるのが、わたしのひそかな楽しみなのです。
ところがその晩は、ふと手が止まりました。
「これ……もし私がこのまま死んでしまったら、いったいどうなるのかしら」
恥ずかしながら、正直に打ち明けますね。わたしには、家族にはあまり話していない、自分だけのネットの口座が、実はいくつかあります。いわゆる“へそくり”のようなものです。コツコツ続けてきた、ささやかな私の楽しみでもあります。
でも、そのスマホを開けるのは、わたしひとり。パスワードも、どこにどの口座があるのかも、家族は何ひとつ知りません。
通帳のない時代の、思わぬ落とし穴

昔だったら、引き出しのなかに通帳と印鑑があって、「ああ、ここに口座があったのね」と家族にも分かりました。
でも、ネットの銀行や証券には、紙の通帳もハガキも、一切ありません。すべてスマホやパソコンの中。便利なのですが、裏を返せば、その端末が開けなければ、家族は中身を見ることも、存在を知ることもできないのです。
しかも、です。今は何をするにも「メールに届いた認証コードを入力してください」という時代。けれど、そのスマホ自体が開けなければ、肝心のメールも認証コードも確認できません。入口の鍵が、すべて私ひとりの中にある——そう気づいて、なんだか急に心細くなってしまったのです。
放っておくと、どうなってしまうの?
「ほうっておいたら、いつか没収されて、消えてなくなるのかしら」。わたしは最初、そう思っていました。
でも、少し調べてみると、どうやらそうではないようです。お金そのものが消えるわけではなく、家族がきちんと手続きをすれば、ちゃんと受け取れるのだそうです。
では、何が問題なのか。それは——家族が「その口座がある」と知らなければ、そもそも手続きのしようがない、ということ。誰にも気づかれないまま、ずっと眠ったままになってしまうのです。せっかく家族のためにと思って残したお金なのに、それでは悲しいですよね。
(このあたりの「放っておくとどうなるか」のくわしいお話は、また別の回でゆっくりお伝えしますね。)
実は、備える方法があるようです

「生きているあいだは、やっぱり秘密にしておきたい。でも、亡くなったときには、家族にちゃんと届けたい」。
わがままかもしれませんが、これがわたしの本音です。そして調べてみると、そんな「生きてるうちは秘密のまま、亡くなったときにだけ確実に伝わる」方法が、ちゃんとあることが分かりました。大きく、3つです。
- ① 紙の封筒 「私が亡くなったら開けてください」と書いて残しておく、いちばんアナログな方法
- ② iPhoneの「故人アカウント管理連絡先」 亡くなったあとだけ、家族がスマホの中を見られるようにする仕組み
- ③ 公正証書遺言 公的な場所できちんと残す、いちばん確実な方法
どれも、いいところと、ちょっと迷うところがあります。正直に言うと、わたし自身、まだどれにも手をつけられていません。だからこそ、次回からひとつずつ、いっしょに見ていきたいと思っています。
まとめ——いちばん大事なのは「ここを見てね」の一言

3つの方法をながめていて、わたしは大事なことに気づきました。封筒も、iPhoneの設定も、遺言も——どれも、「私には備えがある」と家族が知らなければ、結局たどり着いてもらえないのです。
だとすれば、立派な仕組みを完璧に作ることより、もしかしたら、「もしものときは、あの引き出しを見てね」「スマホに残してあるからね」と、ひと言だけ伝えておくことのほうが、ずっと大切なのかもしれません。中身は、秘密のままでいいんです。「ありかだけ」を渡しておく。それなら、今日からでもできそうでしょう?
きちんと備えておけば、もう、むやみに不安がらなくていい。「あとのことは大丈夫」と思えれば、毎日を安心して、笑って過ごせます。このブログの合言葉「備えて笑って、お金も長生き」は、まさにこういうことなのだと思います。
正直に白状すると、わたしも「やらなくちゃ」と思いながら、もう何年も先のばしにしてきました。でも、こうして考え始めただけでも、ほんの少し、前に進めた気がします。完璧じゃなくていい。まずは「知ること」から。それが、いちばん大事な最初の一歩なのだと思います。
次回からは、3つの方法を、ひとつずつ、ゆっくりご紹介していきますね。スマホの中のお金が、いつか、ちゃんと大切な家族に届きますように。
この記事は私・KIKOの個人的な体験と、自分で調べたことをもとに書いています。制度の細かい条件は変わることもありますので、実際に手続きをされる際は、金融機関や公証役場、専門家にご確認くださいね。


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